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The Horror and the Metal / F.K.U.
失恋船長 ★★★ (2025-08-02 18:33:30)
アルバムのオープニングナンバーが全てを物語りますよね。スラッシュメタルとホラー映画を引用した歌詞、その相性は抜群で彼等の目指す血塗られたダイハードサウンドと融合を果たしている。映画もサブスクやDVD時代ではないVHSの匂いがするのが個人的には魅力。そのセンスにも激しく共感します。モダンヘヴィネスとスラッシュメタルの融合との触れ込みだが、もはや、こういう音こそスタンダードになっている昨今。全く違和感なく耳に届くでしょうね。

スタスタスタターンと軽快に裁くのではなく、リズムは重厚なウネリを上げド迫力のヘヴィネスサウンドを支える軸になっている。メロディを追いかけ唄うシンガーは場面場面で自分の持ち味を生かし変化自在のパフォーマンスで魅了。吐き捨てるだけではない器用さも聴きやすさに繋がっている。ホラー映画を題材にしているからなのか、音楽性は実に聴きやすい部類のメタルだ。刺激的な部分はしっかりフォローされているのだが、過度に苛烈なる獰猛さを前に出さないので、実にとっつきやすい。

北欧のバンドながら、懐かしくベイエリア風というのも聴きやすさに繋がっているのだろう。この小気味よく駆け抜けるハードサウンド、そこに歌い込める実力派の歌い手が変化自在のパフォーマンスで魅了するのだから悪いわけがない。

個人的にはもう少しアクロバティックなギターソロなどを導入して欲しいのだが、最初からそういうモノを省いているので、そこはないものねだりという事で大きな問題では無い。今の若い人にはギターヒーローなど無用でもあるだろう。

本当に絶妙なんだよなぁ。重厚さもあるのに、馴染みやすいのは、このバンドの真骨頂。上手いことバランスを取っているなぁ。ホラーとメタルを讃えるサウンドに相応しいキャッチーさが、実に心地良いですね。

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